いくら借金があれば自己破産できるか?

多重債務を抱えているなどの理由で自己破産を考えている方にとって気になるのは「どのぐらいの借金額があれば自己破産できるのか」ということではないでしょうか。

自己破産できるかどうかの判断ポイントについて

そもそも自己破産とは、その人の支払能力のすべてをもってしても借金を支払えない状態のことをいいます。債務を整理するための最終手段です。

例えば、収入もほとんどなく、今持っている財産をすべて処分してお金に換えても借金を完済できない場合、破産状態にあるといえます。

しかし、近い将来きちんと収入を得て、借金を返済できる見込みがある場合は、今借金があったとしても慌てて自己破産する必要はありません。
むしろ、借金を整理して、生活を立て直すことが重要です。

なぜならば、自己破産の対象となるような支払不能状態と判断される額は「人によって異なる」からなのです。

自己破産できるかどうかの判断については、収入額や所有資産の違いがポイントとなってきます。

収入額の違い

まず、収入額が違えば支払不能状態になる金額は当然のことながら違ってきます。
借入金の額が500万円だとした場合でも、月収100万円の人は支払不能状態と判断される可能性は低いです。

しかし、月収20万円の人は、月収100万円の人と比較すると返済が厳しくなるため、支払不能状態と判断される可能性が高くなるのです。
同じ500万円の借金額であっても、前者は自己破産手続き開始の対象になる可能性は低いですが、後者は可能性が高いというわけです。

つまり、借金額よりも1ヶ月の収支が支払不能状態だと判断されるための重要なポイントになってくるというわけです。

所有資産の違い

もうひとつは、所有資産の違いも支払不能状態かどうかを判断するポイントになってくるのです。

500万円の借金がある月収20万円の人でも、他にめぼしい財産がないケースでは返済が厳しいため、支払不能状態と判断されます。

ところが、不動産や株式をはじめとする資産を潤沢に保有しているケースでは、それらを売却すれば借金を返済することができると判断され、自己破産の対象とはならない可能性があるのです。
収入が同レベルであっても、借金額だけでは自己破産手続き開始の対象になるかどうかが分からないのは、このためです。

100万程度の借金でも自己破産できる?

何百万もの債務ではない場合、自己破産という選択肢を選ぶことは出来ないのでしょうか。

これは、申立人の状況によって答えが変わります。
いろいろなケースで、自己破産が可能であるかを例を挙げて解説します。

サラリーマンやフリーターの場合

例えば、普通のサラリーマンの場合、100万程度の借金で、破産を申請して免責を受けるのは難しいでしょう。
なぜなら、サラリーマンの場合それなりに収入があるので、その収入を使って債務返済をすることが出来るからです。

では、収入が少ない上に雇用が不安定なフリーターだとどうでしょうか。
この場合でも、自己破産をして免責を受けるのはやや難しいでしょう。

ですが条件次第では免責を受けることができるかもしれません。

病気・怪我・高齢・失業中など収入がない場合

病気・怪我・高齢などの理由で働くことができず、当面収入を得る見込みがないという事情のときまで破産が認められないとすれば、その人は一生生活を立て直すことはできません。
将来的に借金を返済できる見込みがない場合は、たとえ借金が100万円でも、自己破産が認められる可能性があります。
なぜなら、収入がほとんどないからです。

基本的に、自己破産して免責が下りるかどうかは、収入と照らし合わせて決定されますので、失業中や病気療養中など、なんらかの理由で収入がゼロに近い場合、それを考慮され、100万程度の借金でも免責が下りる可能性があります

専業主婦の場合

これは夫の収入や財産の有無によって変わってきます

自己破産出来るかどうかは、支払不能であることが条件なので、夫が裕福で妻の債務を支払い可能な場合、自己破産をすることが難しくなるでしょう。
専業主婦が破産出来るかどうかは、ケースバイケースとなります。

免責不許可事由に該当している場合

そして、気を付けてほしいのは、どれほどの借金額であっても「免責不許可事由」に該当しているケースでは、自己破産を申請しても免責されない可能性があるのです。
簡単にいえば「借金の返済が免除されない」ということで事実上、自己破産ができないということになるのです。

一例を挙げれば、株取引や先物取引、FX、ギャンブルなどによる借金の場合、免責不許可事由になってしまう可能性が高いです。
物取引の失敗で億単位の借金を抱えてしまっているケースでは、収入に関係なく事実上、自己破産ができないということになってしまうのです。

まとめ

自己破産は、支払不能である人の借金を帳消しにする制度です。
どれだけの財産があるか、収入や借金はどれくらいなのかなど様々な要素を考慮して判断されます。
自己破産出来るかどうかは一概には言いきれません。

繰り返しますが、自己破産が可能かどうかは借金額だけでは判断することはできません。
自己破産を考えているのでしたら、借金が多額だから自己破産できるだろうと安易に考えず、自己破産が可能かどうかについて弁護士をはじめとするプロの判断を仰ぐべきなのです。

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